2 デートへ行った 第2章
お寺の境内で過ごした時間は一言で言えば平和。
お互いを知るために必要な時間であった。
確かに、Leyがアメリカ人だから日本人男性よりも信用するには時間はかかるかもしれないが、お寺での会話を通して、十分信用できる相手になったと思う。
さらに、デートは続いていく。
次に小町通り沿いではあるが一本奥に入ったカフェでケーキとコーヒーを。
実は私、聞いていいのやら悪いのやらで躊躇していたことがあった。
「あのー、あなたって女性が好き?」
「・・・」
奇妙すぎる質問にLeyも困惑・・・?
かと思いきや、すぐにテーブルに置いてあった紙ナプキンスタンドを指した。
”当店自慢のプレミアムストレート Premium Straight ¥700”
「That’s it. I am premium straight.」
紙ナプキンスタンドに、おすすめメニューの写真が貼ってあるのを容易に想像できる人は多いだろう。
この状況、このワードチョイス、全てが完璧だった。
アメリカと言えば、社会の教科書で習った、『人種のサラダボウル』。
もしかしたら、私は今Leyにキュンとし始めているけれど、Leyはそういう目で私を見ていないかもしれない。
Leyとこれからも仲良くいたいから、確認しないと!と勝手に迫られ、勇気を出して聞いたが私たちの背中をカフェが押してくれているかのようだった。
そこからホットワードに『Premium Straight』が躍り出たことは言うまでもない。
そんなわけで、私たちはお互い恋愛対象として相手を見始めた。
Leyとデートするまでは、アメリカ人はスキンシップか多く(というか過剰)で、付き合ってもないのにハグ、キスなどをするものだと思い込んでいた。しかしLeyは舌だけでなく、感覚も少しジャパナイズ?されているのかな、と思った。
必要以上のスキンシップはしない。車が来たとき自然と背中に手を置く、面白い話のときに肩に手を置く、この時点(1回目のデートの折り返し地点)ではそれくらいのものだった。
そこにも感覚の一致を感じることができて安心した。
やはり日本人でも、過剰なスキンシップだけとは言わないが、話し方、食べ方、店員さんへの振る舞い方などにその人の人柄があらわれることは言うまでもないだろう。
今までの恋愛のことなんて、いちいち思い出してはいられないが、
Leyの話し方、食べ方、店員さんへの振る舞い方などは私が好む感覚に似ていた。
前回の記事にも書いたが、要は好きになった相手がアメリカ人だっただけで、
意外と恋愛の進め方は『コミュニケーションをとる』の一択なのかもしれない、と気づいた。
Leyとの関係がうまく続いていくかはわからないけれど、
大事なことに気づけた出会いであることに変わりはない。
〜メモ〜
メートル〜インチに変換できるように覚えておけばよかった。
すぐ検索できるからまあいいんだけど。
背の大きさとかいろんな場面でインチは頻出。
iPhoneに頼らず頭の中で変換したかった・・・。