2 デートに行った 最終章
”当店自慢のプレミアムストレート Premium Straight ¥700”
2 デートへ行った 続き - 国際恋愛って簡単なのか。
私は女性で男性を恋愛対象として見ている。
Leyは男性で女性を恋愛対象として見ている。
それを確認できたところまでが、前記事。
ここからが日本人男性にはあまりない
スウィーーーートな展開。
向かい合ったLeyがテーブルに右肘を乗せ、私の方に身を乗り出し、周りに聞こえないように小さい声で言う。
「だって、デートに来るっていうことは、どういうことかわかるでしょう。
君は賢くて、意志が強くて、美しくて、いいなと思ってるからなんだよ。」
・・・・・Thank you. 以外に言葉が見つからないッス。
照れに照れた私は「じゃあ、暗くなる前にもう少し歩いてみようよ。」とはぐらかしも兼ねて提案。最高の笑顔でYes. を言ってくれるLeyにもう十分惹かれていた。
さあ、カフェを出た時点で17時前。このあとはかなりロマンティックな展開に。
「さあ、どうしようか。」
「Ley行きたいところないの?」
「君の行きたいところが僕の行きたいところだよ。」
・・・おうおうおう。
これドラマで聞いたことあるぞこれ。
私は恋愛偏差値35くらいなもので、先ほどから照れに照れていた。
「江ノ島で降りて少し歩こう!そしたらケーキもいい感じに消化できるよ。
その後、家の方まで戻って飲もう。どう、Ley?」
「最高、パーフェクトだ。僕のおなかの中にもまだケーキがいるよ。」
大きなLeyは、まわりの観光客に気を遣いながらドアの近くに立っていて、何か目に入る度に私に話しかけてくれて、楽しく移動することができた。
江ノ島に着くと、私たちは口を揃えて言った。
「Oh my goodness, so beautiful...」
なぜかと言うと、写真を見てもらった方が早いだろう。
加工なしでこのグラデ・・・。Awesome.
二人で片瀬海岸の階段に腰掛けてまた色々な話をした。
少し会話が落ち着くと、Leyが私の腰に手を回してきた。
Leyも、意識をし始めてくれている、そうはっきりと感じた。
私も受け入れてみた。
かな〜〜〜りスウィートでロマンチックな時間に身を委ねていたが、日も暮れたのでゆっくり腰を上げて自宅方面の電車に乗った。
私が友達とよく行く居酒屋さんで飲むことに。
しかし、残念なことに、Leyの大好きな黒ホッピーがなかったので、浮かない顔のLey。
10歳ほど年上なのに、可愛い・・・と思ってしまったのは絶対にLeyには言えない。
頼んだものは、
キュウリの一本漬け
ダシ巻き卵
馬刺
モツ鍋
私は焼酎、Leyは(不服そうに)白ホッピー。
完全に私にとっては居心地のよい飲み会?であった。
カウンターに並んで座っていたのだが、
先ほどの海岸での流れと、お酒の力もあって
Leyから手を触ってくるようになった。
私は嫌ではなかったので、私の方からも少し、ボディタッチを試みた。
かなり親密になれた気がする。
22時も過ぎた頃、そろそろお開きの空気に。
居酒屋から駅までは裏通りで人の行き来も少ない。
Leyは赤信号を待っているとき、突然キス(口に)をしようとしてきた。
ただ、私は拒んでしまった。
そしてこんな感じのことを言った(と思う)。
「Ok, listen, probably I think there are some steps to... kiss.
It's too early I think but It doesn't mean I don't like you, trust me.
So, I wanna see you again, it's clear. I'm sorry.
I wanna have more oppotunities to know you and then I'll want you.」
(あの… 多分あたし、キスまでには段階ってものがあると思うの。
早すぎるって思っちゃって、でもLeyを好きじゃないってことじゃないのよ、マジで。
で、また会いたいってこともほんとなの。(自分勝手で)ごめんなさい。
もっとLeyを知る機会を設けて、そのあと、あたしからちゃんと求めるから。)
Leyは、わかったよベイビー、大丈夫だよ、こっちこそごめん、と優しく相づちを打ってくれていた。そして頬にキスをして、駅の改札の前で別れた。
お互い、凄まじいスピードで惹かれていたのかもしれない。
けど、オーバーヒートした恋愛偏差値35の私を一旦平静な状態に戻せるのは私しかいないので一旦家で雪見大福を食べながら、Leyとの完璧で惚れ惚れするようなデートを思い出して一人で赤くなっていた。
もしかしたら、LeyからはLINEしにくいかもしれない・・・
と思って、私は短く「今日は楽しかった、ありがとう」的なメッセージを送った。
Leyもすぐにレスをくれて、次に会える日を聞いてくれたので、少し安心した。
確かに、「付き合って」という英語はないと思う。
私はキスを拒むことで、「付き合って」という言葉を得られるのではと期待した。
明確な安心感が欲しかったからなのだが、そこは文化の違いなのだ。
「付き合って」という言葉がなくても、Leyが私を女性として、恋愛対象として、大切にしようとしている意思があるのは明白だった。
でも、キスしようとしてきたこと以外にも少し変化はあったのだ。
・言葉の合間に"baby"
・言葉の合間に"sweetie"
・これからどんな恋愛をしたいか話してくれた
Leyはアメリカ人だから、私にとって英語は第2言語だから、
もっと注意深く相手の言っていることを理解しなきゃ、
相手の気持ちを汲み取らなきゃ、
そういう気持ちが自然とわき起こるので、
「Leyがアメリカ人でよかった」と思っている。
国際恋愛のメリット・デメリットなんて、
本質的な部分においては皆無だ。
じゃあなに、日本人同士だったらメリットの方が多いの?
そんなことはない。
相手の意思を聞いて、汲み取る理解をしようと努力して、
相手の笑顔に癒されて、お互いが幸せになれるような言葉と行動を選択していくー
その中で自分自身もより良くなっていく、
性格的にも、精神衛生的にも。
それが、誰かといることのメリットなのかもしれない。
国際恋愛って簡単なのか。
知らんがな。
人によるし、そんなカテゴライズ、ナンセンスだ。
幸せを追い求めて何が悪い。
追い求めた先にあったもの、いた人を全力で愛そう。
Leyと私の関係はまだ、よーいドン!の”ド”くらいだと思う。